化学業界に求められるバリュープライシングの実践

化学メーカーはこの十数年間、需要の激しい変動を見越して生産能力を調整する手法を進化させ、自社製品の価格やマージンを維持してきた。技術者が日進月歩の努力で生産体制を適切に管理し、製品価値を保ってきたのである。この傾向は、ビジネスモデルが川上に位置するほど、より顕著に見られる。一方で、川下に位置する化学メーカーについてはどうだろうか?適切な価格設定によって製品価値を維持出来ているだろうか?

サイモン・クチャーは2017年、欧州の化学メーカーの経営層に、戦略策定、組織再編、営業支援などの様々な活動の中でどれが最も最適化する必要性が高いかを尋ねた。結果は非常に明確で、大多数の経営層は“価値提案の文化の確立“に最も改善余地があると回答した。

この課題は以前から認識されており、実際、化学メーカーは過去15年の間に、自社の製品価値を顧客に訴求し、価格に反映できるよう、営業組織の育成に対して多大な労力を費やしてきた。それほどまでに、化学メーカーの経営層は“価値提案”の必要性と実現の難しさを深刻に捉えているのである。

今こそ自社のバリュープライシング(顧客にとっての価値に基づく価格戦略)を見直すべきではないだろうか?幸いなことに、化学業界の何れの企業にも、打つべき施策は数多く残されていると我々は考えている。